2013年5月19日日曜日

こんでは、同んなじだわねえ(3)

しつこく こだわるのだが、、

かの健保法改正案、参議院にまわされ、5月16日、厚生労働委員会に上程されたようだ。

参議院の厚生労働委員会では、 「業務外の事由」を「業務災害以外」と条文修正する箇所、議論になるでしょうか、ちいっとばっかし今後が気になります。



 衆議院の厚生労働委員会では、わずかに、おひとりだけが、「一人親方」という言葉を出して質問がありましたが、 どうも、「一人親方」も「中小企業事業主」も よく 区別されとらんようでした。

社労士という仕事柄、健保側において業務概念の見直しがあるんだって、などといわれると、あの「谷間問題」をなにがしか解決したかという目でみてしまいます。


「一人親方」の場合は、たいがい「国保」の対象だから、いや、仮に「健保」であっても、おそらく5人未満だから、谷間問題からはちょいとはずれる。だから、業務概念の見直し、について質問するなら、「一人親方」を引き合いにしちゃあだめよ。


社保審医療保険部会での議論をみていると、まあ、 あたりまえのことなんでしょうが、谷間問題を解決するとの問題意識は、これっぽち もないんだなあ、ということがわかります。

そりゃあそうだよね、 谷間問題のために、かき集められたわけじゃないんだから。
しかも、谷間問題は、「労災側」にありとの意識が底の底にあるようだ。
谷間は労災側で埋め立てよって ことなんでしょう。


一方、労災側はどうか。 労働条件分科会労災保険部会の議論からの おくそく ですが、「特別加入がうまく機能しているかどうか」の問題意識はあるようだ。

しかし、「谷間問題」を遡上に載せる気はない。そりゃあそうだ、労災法理からすりゃあ谷間問題などそもそも問題にならないのだから。

ということは、 行政に、谷間問題の解決を期待することはできないということだ。


そんで、 「健保」と「労災」と両方を射程にいれた政治(法律)にお出ましを願うしかない、、、と、厚生労働委員会の先生方に期待してるのだが。。。。。。



2013年5月9日木曜日

こんでは、同んなじだわねえ(2)

要するに、
平成15年の、ほら、5人未満の社長さんが業務上負傷した場合などは、健保で給付してやるよ、
との「通達」を、法律に昇格させただけなのね。

どんな議論があったのか、とちょい調べると、
社会保障審議会医療保険部会> H25/1/9 議論の整理 というのがあって、

検討した、
異論があった、
異論がなかった
意見があった、
意見が多かった。

と整理してくれています。


(健康保険と労災保険の適用関係の整理について)
○ 現行の制度では、シルバー人材センターの業務中やインターンシップ中に負傷した場合など、労災保険及び健康保険のいずれの給付も受けることができない事態が生じることがある。

○ このため、当部会では、「労災保険の給付が受けられない場合には、健康保険の対象とすること」等について検討を行った。

○ 議論では、労災保険と健康保険のどちらの給付も受けられない者を救うことは必要であるなどの意見があった。その上で、労災保険の給付が受けられない場合には、健康保険の対象とすべきであり、請負などの働き方の形態にかかわらず、労働者性のある業務に起因する負傷等については、引き続き、労災保険が健康保険に優先して給付されるべきであるとした事務局の案については異論がなかった。

○ ただし、労災保険は業務上の事由を、健康保険は業務外の事由を対象とするという根本的な原則は変更すべきではなく、健康保険法における業務上・外の区分を廃止する必要はないとの意見があった。

○ なお、労働者性のない役員の業務に起因する場合に、「被保険者が5 人未満である適用事業所に所属する法人の代表者等であって、一般の従業員と著しく異ならないような労務に従事している者について、健康保険の給付の対象とすること」という現行の取扱いを継続することについても異論がなかった。

○ また、これらの取扱いは、健康保険法の根幹に関わるため、法律改正で明確に見直すべきとの意見が多かった。さらに、これまでの考え方を変更し制度改正を行う以上、将来に向かって適用すべきであり、遡及適用はすべきでないとの意見が多かった。



  議事録も公開されてるので、眺めますと。     この委員会メンバーこんなにいるのに、 この問題で 意見した のは 数名。



<社会保障審議会医療保険部会> 
本委員
◎遠藤 久夫 学習院大学経済学部教授
 菅家 功日本労働組合総連合会副事務局長
 福田 富一全国知事会社会文教常任委員長/栃木県知事
臨時委員
  安部 好弘 日本薬剤師会常務理事
○岩村 正彦 東京大学大学院法学政治学研究科教授
  岩本 康志 東京大学大学院経済学研究科教授
  大谷 貴子 全国骨髄バンク推進連絡協議会顧問
  岡﨑 誠也 全国市長会国民健康保険対策特別委員長/高知市長
  川尻 郎 全国老人クラブ連合会理事
  小林 剛 全国健康保険協会 理事長
  齋藤 訓子 日本看護協会常任理事
  齊藤 正憲 日本経済団体連合会社会保障委員会医療改革部会長
  齋藤 正寧 全国町村会副会長/秋田県井川町長
  柴田 雅人 国民健康保険中央会理事長
  白川 修二 健康保険組合連合会専務理事
  鈴木 邦彦 日本医師会常任理事
  武久 洋三 日本慢性期医療協会会長
  樋口 恵子 NPO法人高齢社会をよくする女性の会理事長
   堀 憲郎 日本歯科医師会常務理事
  山下 一平 日本商工会議所社会保障専門委員会委員
  横尾 俊彦 全国後期高齢者医療広域連合協議会会長/多久市長
  和田 仁孝 早稲田大学法学学術院教授

意見した のは 下記
小林 剛  全国健康保険協会 理事長
白川 修二 健康保険組合連合会専務理事
菅家 功日本労働組合総連合会副事務局長
鈴木 邦彦 日本医師会常任理事
岩村 正彦 東京大学大学院法学政治学研究科教授  


小林 剛: 健康保険と労働者災害補償保険は、本来、どちらも労働者の医療、健康を保障するための制度であります。同じ労働者であるにもかかわらず、働き方とか業務内容の違いによって救済が行われないということは、社会保障制度として是正するのが適当だと考えます。
役員の業務上の負傷等についても、労災の特別加入制度がある以上、実態を踏まえて、現行どおりの取り扱いとしていただきたいと考えます。

白川 修二 健康保険組合連合会専務理事:
基本的には小林委員の御意見と同じ。
5人未満の法人の役員等のみ健康保険から給付をする。もちろん条件つきでございますけれども、こういう形でよろしいのではないか。

菅家 功 日本労働組合総連合会副事務局長

労災保険に適用にならないにもかかわらず、健康保険法が適用になっていないところの方が、むしろ問題ではないかと思っておりまして、運用の実態に大いに問題があると、基本的には考えております。したがって、現行の健康保険法における業務上・外の区分という根本については、これを改める必要は全くないと考えております  


岩村センセなんか、遠慮しちゃって、
岩村 正彦 東京大学大学院法学政治学研究科教授  
私は労災保険にもかかわっているので、微妙なんですが、この問題自体をこういう形で取り上げていただいたことは、非常によろしいことだと思います。
先ほどの菅家委員の意見とも関係するんですが、業務外というのは、あくまでも労災保険における業務上の認定を受けなかったものと定義してしまえば、別に法改正は必要ないのではないかという気がしております。そういう意味では、従来の健康保険の概念がやや広過ぎたという気もします。業務の概念がちょっと広かったという形で整理できないかという気がしています。
役員のところについては、これまでどおり、5人未満の法人の役員等のみから健康保険で給付するということでいいと思っていますが、これは労災保険にかかわるもので、深入りはしませんけれども、ただ、特別加入というのが、それほどうまく機能しているのかという問題は別途存在するのでこの立場をとるとしても、そこのところは要検討だと思っています。


最後に、大島課長さんが 極めつけの発言。

先ほどの資料の中で、6ページに健保法の1条を掲げておりますが、この中の業務外の事由によるというところは、昭和22年に労災法ですとか、労働基準法ができたときに入った規定でありまして、それまでは業務外ということに限定していませんでした。ですので、考え方としては、法律で改正した当時には、労災法との線引きを念頭に置いた規定だと考えられます。その後、どこからそういう運用をしたかはわからないんですけれども、相当早い段階から、ここでいう業務は、言わば反復、継続した事務事業だという運用をしておりまして、労災法でいう業務災害より広い概念として、業務を捉えた運用と解釈を積み重ねてきております。
 したがいまして、それがかなり浸透している状況になっていますので、私どもとしましては、ここの業務外という業務が、広い意味になっていますので、例えば業務災害といった言葉を使うような形にして、労災法との区分なんですということが、目的規定でも明確にわかるようにした方が、混乱は少ないと思っております。



要するに、法案は、大島課長さんの「言う通り」ってことですかね。


岩村先生が、
「労災保険における業務上の認定を受けなかったものと定義してしまえば、別に法改正は必要ないのではないかという気がしております」って言ってるのに、法改正しちゃうんだ。臨時ではあれ 委員長さんだぞ。


のちのち、「5人未満通達」の適法問題が云々されたりすると厄介だとでも思ったのでしょうか。












 

2013年5月8日水曜日

こんでは、同んなじだわねえ。

十数年前にわれらが業界で「おおさわぎ」したほどに、今回は 話題になってないようですね。


衆議院HPに、
4月23日
日程第四 健康保険法等の一部を改正する法律案(内閣提出)
  右議案を議題とし、厚生労働委員長の報告の後、委員長報告のとお
  り修正議決した。

とあります。目下、「参議院で審議中」であると。
http://www.shugiin.go.jp/index.nsf/html/index_gian.htm

(現行)
「この法律は、労働者の業務外の事由による疾病、負傷若しくは死亡又は出産及びその被扶養者の疾病、負傷、死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。」

(改正案)
「この法律は、労働者又はその被扶養者の業務災害(労働者災害補償保険法(昭和二十二年法律第五十号)第七条第一項第一号に規定する業務災害をいう。)以外の疾病、負傷若しくは死亡又は出産に関して保険給付を行い、もって国民の生活の安定と福祉の向上に寄与することを目的とする。」

「業務外の事由による」が「業務災害以外の・・・」となるようですね。

一見、「我らが気になるところ」が、解決したかのような案文ですが、 53条の次に 次の条文を加える、と。

第五十三条の次に次の一条を加える。
(法人の役員である被保険者又はその被扶養者に係る保険給付の特例)
 第五十三条の二 被保険者又はその被扶養者が法人の役員(業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者をいい、相談役、顧問その他いかなる名称を有する者であるかを問わず、法人に対し業務を執行する社員、取締役、執行役又はこれらに準ずる者と同等以上の支配力を有するものと認められる者を含む。以下この条において同じ。)であるときは、当該被保険者又はその被扶養者のその法人の役員としての業務(被保険者の数が五人未満である適用事業所に使用される法人の役員としての業務であって厚生労働省令で定めるものを除く。)に起因する疾病、負傷又は死亡に関して保険給付は、行わない。


こんでは、同んなじだわねえ。
条文見出し、 (保険不支給の特例)ってのが正確ではないのかねえ。